◆製造業の許可区分
医薬部外品製造業の許可は、その性質によって以下の3つの
区分に分けられます。
1. 無菌医薬部外品(無菌化された医薬部外品)の製造を
行うもの(区分3を除く)
2. 1に掲げる医薬部外品以外の医薬部外品の製造を行うもの
(区分3を除く)
3. 医薬部外品の製造工程のうち、包装,表示または保管のみを
行うもの
◆許可を取るためには
医薬部外品製造業の許可を取るためには、取ろうとする者が
①物的要件と②人的要件の2つを満たしていることが必要となります。
①物的要件について
医薬部外品の製造所の構造設備の基準は、『薬局等構造設備規則』にて定められています。一般区分(区分2)の医薬部外品製造業者等の製造所の構造設備の要件は、下記のとおり定められています。
一 当該製造所の製品を製造するのに必要な設備及び器具を備えていること。 |
二 作業所は、次に定めるところに適合するものであること。 イ 照明および換気が適切であり、かつ、清潔であること。 ロ 常時居住する場所及び不潔な場所から明確に区別されていること。 ハ 作業を行うのに支障の無い面積を有すること。 ニ 防塵、防虫及び防そのための設備を有すること。 ホ 床は、板張り、コンクリート又はこれらに準じるものであること。 ヘ 廃水及び廃棄物の処理に要する設備又は器具を備えていること。 ト 作業員の消毒のための設備を有すること。 チ 製造品目により有毒ガスを発生する場合には、その処理に要する設備を有すること。 |
三 作業所のうち、原料の秤量作業、医薬部外品の調製作業、充てん作業又は閉そく作業を行う 作業室は、次に定めるところに適合するものであること。 イ 作業室内に備える作業台は、作業を円滑かつ適切に行うのに支障のないものであること。 ロ 作業員以外の者の通路とならないように造られていること。ただし、当該作業室の作業員 以外の者による医薬部外品への汚染のおそれがない場合には、この限りでない。 ハ 出入口及び窓は、閉鎖することができるものであること。 ニ 天井は、板張り、コンクリート又はこれらに準ずるものであり、かつ、ごみの落ちるおそ れのないように張られていること。 ホ 床は、表面がなめらかですき間のないコンクリート、タイル、モルタル、板張り又はこれ らのものと同じ程度によごれをとることができるものであること。 へ 室内のパイプ、ダクト等の設備は、その表面にごみがたまらないような構造のものである こと。ただし、清掃が容易である場合は、この限りでない。 |
四 原料、資材及び製品を衛生的かつ安全に貯蔵するために必要な設備を有すること。 |
五 製品等及び資材の試験検査に必要な設備及び器具を備えていること。ただし、当該製造業者 等の他の試験検査設備又は他の試験検査機関を利用して自己の責任において当該試験検査を 行う場合であって、支障がないと認められるときは、この限りでない。 |
②人的要件について
医薬部外品製造業の許可を取ろうとするもの(そのものが法人であるときは、その業務を行う役員も含む)が下記の欠格事由に該当するときは、その許可を取ることができないことがあります。
イ 薬事法第75条第1項の規定により許可を取り消され、
取り消しの日から3年を経過していない者
ロ 禁錮以上の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、
又は執行を受けることがなくなった後、
3年を経過していないもの
ハ イ及びロに該当する者を除くほか、薬事法、麻薬及び
向精神薬取締法、毒物及び劇物取締法その他薬事に関する
法令又はこれに基づく処分に違反し、その違反行為が
あった日から2年を経過していない者
ニ 成年被後見人又は麻薬、大麻、あへん若しくは覚せい剤の
中毒者
ホ 心身の障害により、製造業者の業務を適正に行うことが
できない者として厚生労働省令で定める者
◆責任技術者の設置について
また、医薬部外品の製造業者は、医薬部外品の製造を実地に管理させるために、製造所ごとに『責任技術者』を置かなければならない、と定められています。責任技術者になることのできる資格は、
次のとおりです。
GMP省令の対象となる医薬部外品を製造する製造業者:薬剤師
それ以外の製造業者:下記のいずれか
一 薬剤師
二 大学等で、薬学又は化学に関する専門の課程を修了した者
三 旧制中学若しくは高校又はこれと同等以上の学校で、
薬学又は化学に関する専門の課程を修了した後、
医薬品又は医薬部外品の製造に関する業務に3年以上
従事した者
四 厚生労働大臣が前3号に掲げる者と同等以上の知識経験を
有すると認めた者