景品表示法は、商品及び役務の取引に関連する不当な景品類及び表示による顧客の誘引を防止するため、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれのある行為の制限及び禁止について定めることにより、一般消費者の利益を保護することを目的とする法律です(第1条)。
事業者は、商品または役務の取引について、次のいずれかに該当する表示をしてはならないと定められています。
1.品質等について、実際のものよりも著しく優良であると示し、又は事実に相違して他の事業者に係るものよりも著しく優良であると示す表示(第4条第1項第1号(優良誤認))
2.価格その他の取引条件について、著しく有利であると誤認される表示(第4条第1項第2号(有利誤認))
3.前二号に掲げるもののほか、一般消費者に誤認されるおそれがある表示であつて、内閣総理大臣が指定するもの(第4条第1項第3号)
また、内閣総理大臣は、広告した事業者に対し、期間(2週間)を定めて、その広告の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めることができます(第4条第2項)。
資料の提出を求めた結果、その広告が景品表示法に違反していると認められた場合、内閣総理大臣は、事業者に対し、広告の差止めや再び広告されることを防止するための対策等を命じることができます(第6条)。これらについては、都道府県知事にも、同様の権限が与えられています(第7条)。
命令に違反した場合、2年以下の懲役または300万円以下の罰金が科せられることがあります(第12条)。
以上のように、広告における景品表示法には、
①事業者-行政間のやり取りについて定められている
②行政による命令を違反した場合、刑事罰が科せられる
(直ちに刑事罰を科すことは予定されていない)
といった特徴があり、また、事業者同士でのやり取りについては何ら規定が設けられていません。
景品表示法における事業者 - 他業者 - 行政の関係性
景品表示法は、消費者庁が設立された平成21年9月以降は消費者庁が、それ以前は公正取引委員会が所管しています。年間、約500~600件程度の注意、数十件程度の警告・排除命令が出されています。
景品表示法違反による注意・警告・排除命令件数等
景品表示法に抵触しないためには、その内容の裏付けとなる「合理的な根拠を示す資料」に基づいて広告を作る必要があります。合理的な根拠を示す資料とは、その内容が
①客観的に実証されたもの であり、
②広告の内容に適切に対応している
資料を指します(不当景品類及び不当表示防止法第4条第2項の運用指針 ―不実証広告規制に関する指針― (平成15年10月28日 公正取引委員会)より)。