医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器及び再生医療等製品(以下「医薬品等」)の広告・製品表示に関わる法律といえば、薬機法(医薬品医療機器等法,旧・薬事法)のイメージが強いと思われますが、実際には、景品表示法や不正競争防止法等、薬機法以外にも様々な法律が関わっています。
これは、例えば薬機法が「医薬品等の品質・有効性・安全性の確保」や「保健衛生の向上」等を目的として「虚偽・誇大な広告」等を規制しているのに対し、景品表示法は「不当な表示による顧客の誘引の防止」や「消費者の利益の保護」等を目的として「実際より or ライバル会社より著しく優良・有利と示す表示」を規制している、といったように、それぞれの目的や取締り・適用の対象が異なっているためです(図1)。
図1.広告・製品表示に関わる主な法律
例えば「この化粧品でアトピーが良くなる!」といった広告等を出した場合、「『化粧品の有効性』についての『虚偽・誇大な広告』」に該当すると判断され、薬機法違反であるとして各都道府県の薬務課が取締ることとなりますし、「A社(ライバル会社)の化粧品は、もう時代遅れ!」といった広告等を出した場合は、「A社の信用を毀損する広告等」に該当すると判断され、A社が不正競争防止法に基づいて広告等の差止め・謝罪広告の掲載・損害賠償の請求等をしてくることが予想されます(図2)。
図2.法に抵触した場合に取締り等を起こし得る行政機関等
広告・製品表示を作成される際には、薬機法以外にも様々な法律が関わっていることにご留意された方が望ましいものと思われます。